Hope Of The States / The Lost Riots

荘厳にて流麗、圧倒的なドラマチックな音世界を有したアルバム。クリアなギターの音色と空間を埋め尽くすディストーションギターのノイズ。それをバッグに高らかに響き渡るピアノ、オルガン、バイオリンの旋律。じわじわと盛り上げていく昂揚感満点の曲構成と哀愁たっぷりの叙情的なメロディ。このアルバムの幕開けのM-1は、まさに今挙げた特徴を余すところなく体現している過剰すぎるくらいに劇的でダイナミックなインストナンバーであり、ある意味アルバム全体を象徴している楽曲といえるかと。が、特筆すべきなのはこれらシンフォニックな楽曲群にスマパンのビリー似のダミ声Voが入ることによって仄かな暖かさが灯ってくるという事実。基本的に翳りを帯びたダークなサウンドが多いのですがこのVoによって人肌の温もりのようなものが生まれているような印象を受けますね。また、ダークとはいっても最後(またはサビ)には光の差す方へ集約されていくようなメロディの展開のさせ方であるという点も暖かさ、また明るさを感じさせそれらが胸を締め付けるという。ホープですホープ。希望が胸に突き刺さるんです。絶望の淵から希望へと邁進していく、そんな大仰で感動的なナンバーばかりが揃った素晴らしき作品ですよコレは。ラストナンバーのコーラス&ハンドクラップの部分とか感動的すぎてもう大変。全国のメランコリック至上主義者にお奨めです。
Recommen度:★★★★☆