ベストアルバム三選

というわけで2005年のベストアルバムを選んでみた。
晦日の日記で10枚選びましたが、順位付けは以下に紹介する三枚のみ。
後は次点という観点でもう順位付けはしません。でもまぁ、並びが順位を表してるとも言えなくはない。てなわけで。

Mezmerize
衝撃。この一言に尽きる。爆音系音楽とアルメニア音楽の奇跡の邂逅。怒りと哀しみと笑い(本人達は笑わせる気はゼロかもしれないが)が同居したアルバム。何よりも彼らのルーツであるアルメニア風、中近東風の物悲しげな音色が過去最高に際立っていて。ヘヴィでうるさくてギャグとしかいいようのないダロンの合いの手や「エビバデエビバデ」な歌詞等にも関わらずアルバムを聴き終わって感じるのはひたすら繊細で美しいメロディ。特に「Radio/Video」の間奏における「ラッラッラッラララッラ〜♪」の部分が個人的には珠玉のメロディ。頭から離れません。予測不能な転調が多様された曲展開も全てが最高級に素晴らしい出来。何か聴き通してみて、全然ジャンルも何もかも違うけども2003年のM-1グランプリ笑い飯の「伝説のネタ」と相通ずるものを感じた作品。テンション高く予測不能な展開ながらアタマからオチまで綺麗に繋がってネタとしての完成度が完璧なとことか。今年は特にヘヴィロックなどのうるさい音楽からは遠ざかり気味だったんですがこの作品だけは別格でした。堂々の一位。

Silent Alarm
こちらも期待をいい意味で大きく裏切ってくれた作品。一昨年くらいからにょきにょきと出て来たニューウェイヴ・リヴァイバルなバンド達の中からいけばアルバムデビューはどちらかと言えば後発の部類に入るのではないかと思われるんですが。そうなると、少しでもオリジナリティがないと「〜の二番煎じ」とか「もうコレ系の音のバンドは既にいっぱい出てるよなぁ」とかそんなこと言われて一蹴されてしまうちょっと危険なポジションなわけですが。アルバム聴いてビックリ。クールな雰囲気ながらとても熱い音で。攻撃的で。シャープで。且つダンサブルで。どっかのレビューの受け売りになりますが「冷たいグルーヴ」という言葉がもうそのまんま当て嵌まるアルバム。このアルバムを覆うクールネスが他のバンドと一線画すところかな、と。楽曲一つ一つのレベルも高いし。その冷たい空気感ながら、リスナーの気持ちを熱くさせる昂揚感に溢れた作品。今年はホントにロック以外、ヒップホップとかダンス・ミュージックに傾倒した一年だったんですがこのアルバムはホントによく聴きました。てなわけで二位。

Modal Soul-2nd Chapter Of Metaphorical Music=
これはもう一曲目の「Feather」の始まりを聴いた瞬間にベスト入り確定。ひたすら美しいヒップホップ。実はタワレコで何となく目について(もしかしたらこのアルバムとの出会いは偶然ではなく必然だったのかもしれない)試聴してみるまでNujabesのことなんて全然知らなかったんですが。ここまですっと心に入り込んでくるヒップホップ・ミュージックには初めて出会いました。全曲がしっとりとメロウで、聴いていて心が落ち着く癒しの音。これはもうヒップホップ好き以外の全ての方にお薦めできる、人を選ばない普遍的に素晴らしいメロディに溢れた作品ではないかと。3位には置いているものの、僕の中でのオールタイムベストになること間違いなしのアルバム。だってコレには、生涯聴くに堪え得る流行り廃り関係無しのシンプルで流麗な音色に満ちているから。