舞城王太郎 / 山ん中の獅見朋成雄

図書館で借りてきました。そして読みました。
この人の作品は「煙か土か食い物」と「九十九十九」を読んでたんですが。
やっぱり文体に力があるというか、悪く言えばゴリ押しで最後まで突っ切っちゃうというか。
九十九十九」はもうメタメタメタメタしてて途中で正直辟易して読むのが辛かったんですが(そして内容も覚えていない)。

今回のコレは読みやすい。
なんだろう、多分一番読みやすかったような気がします今までの中で。
あれですよね?僕、ネットでの書評とか全く見ずに感想を書いてますけどこの人の書く小説って如何にもインターネット世代って感じですよね。
文章の中である一文を太字にするとかフォントを変えるとか字体を変えるとか。
昔の小説もそういうのは多かれ少なかれあったと思うんですが、やっぱり「侍魂」的な(わぁ懐かしい)とこは文の造りってのは感じられるような気がします。
ま、ただそんなのは別にこの人の作品以外でも結構出てきているんだろうなって気はしますが。本を今まであんまり読んでこなかったので推測ですけど。
あと、思うのがアニメ的なんですよねーこれもある意味特徴なのかなぁ。
この作品を読みながら頭に思い浮かぶのは二次元の登場人物。これって僕だけか?
話が突拍子もないためにイメージがアニメ的になってしまうのかもしれませんが、やっぱり何か違います。
や、この人が特別なんじゃなくて、やっぱりこの人と同文脈で語られる人たちの作品ってアニメ的な気がする。
今何となく思っただけなんで間違ってるかも。まぁ良いですが。

しかし、この方のゴリ押し具合は半端じゃないですね。方言で書ききるところがまたそのゴリ押しっぷりを際立たせてます。
頭の中、どういう構造してたらこういうの書けるんだろうなってホントに思いますし一歩間違えればホント自己満足以外なんでもないような作品になりそうなんですがそのギリギリのラインを行っている感じ。ありえないシチュエーションでの葛藤や逡巡が実は結構グッと来たりすんなり心の内に入りこんできたりするのが不思議。
それが魅力なのかも、ですハイ。
わぁ全然まとまってねぇけどそれが嘘偽りの無い心情の吐露ってもんだアハハ。


山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)

山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)