ベストに届かなかった者どもPt.2

ZAZEN BOYSII
さて、惜しいアルバム第二弾はザゼンの2ndです。前作は未聴なんですが、今作はとりあえずミクスチャーやラウド・ロックといったものが翳りを帯び始めているこのご時世によくもまぁここまでヘヴィなアルバムを作ってくれたな、との感想があります。怒涛、という言葉が相応しいアルバムではないかと。まぁ他のラウドバンドとかと一緒にすな、との声も聴こえてきそうですがこのミックスチャー・サウンドは癖になる。ナンバガの音楽性とヒップホップやファンクとの融合、ね。ジャケのグラフィティアート調でのロゴはどう考えてもヒップホップ・カルチャーへの憧憬ですねー。
ミクスチャーの手法的にはもう使い古された感ありありですが、あのナンバガの音で構築されてるからか、ありきたりな音にはならず独特の雰囲気が出てます。「Crazy Days Crazy Feeling」や「安眠棒」は単純にかっこよく鋭さ、激しさ、テンションの高さ、どれをとっても一級品。その他の曲も、ラップ(と呼んでいいのか判断に苦しみますが)一辺倒ではなくファルセット効かしてみたりナンバガ時代と変わらない絶叫を聴かしてくれたり色々な歌い方を見せてくれますし曲自体も良い。メロディも聴きやすいのあるし。
ただ、同じフレーズを繰り返すところとか(「繰り返される諸行無常」「よみがえる性的衝動」など)、あの独特の雰囲気を出すために狙って繰り返してるんだろうとは思いますが、向井秀徳という人間、向井ワールドを知らない人からすればただ語彙力の貧困ととられてもおかしくないところ。そこがどうも気になるんです。実際僕自身も少しそう思いましたし。向井ワールドを知っている人間にしても、ちょっと耳につくんではないかなぁ、とそのようにも思いました。
それと、ナンバガ最終作「Num-Heavy Metalic」を超えるまでには至っていないとの思いもありまして文句なしのベスト!とは呼べないのです。