ベストに届かなかった者どもPt.6

  • Afra / Digital Breath

DIGITAL BREATH
Prefuse73などの活動で知られるスコット・ヘレンがプロデュースしたAfraの2nd。ここでもう何度も言ってますがAfraのアルバムというより寧ろPrefuse73のアルバムの様。プロデュースというよりコラボレート作品といった方がしっくりくるような。このヒューマン・ビート・ボクサーの紡ぎ出すビートは驚くほど多様であり、かつ機械とは違いどこか人間味があって暖かい(気がする)。そのビートを、これまた無機質な電子音で有機的な暖かさを生み出すことのできる職人スコット・ヘレンが調理することで素晴らしい化学反応が起きています。ビートや電子音を切り刻んで一つの楽曲として構築していくスコットお得意の技は今作も健在(だからこそAfraのアルバムというより…てな感情が生まれるんですが)。前半のビートが前面に出た曲もまた素晴らしいが、後半三曲(インタールード除く)の流麗でアンビエントな音世界には耳を奪われるものがありますね。特に最後の吐息だけの曲「Digital Breath」はそれを思いついたAfraの発想も凄ければそれをきっちりと曲と仕上げてくるスコットも凄い。というか、Afraのビート・ボックスの実力には脱帽ですがそれ以上にスコット・ヘレンの才能、センスにガツンとやられたアルバムでした。
しかし、まぁこの長さだから通して聴けるし、もっかい聴きたい!もっかい繰り返して聴きたい!て気持ちになるんでしょうけどやっぱ8曲15分は短すぎるべ。