ベストに届かなかった者どもPt.7

EMOTIVE
新曲2曲を収録以外は全てカバーで構成された今作。今作からスマパンのジェームス・イハが参加ですか。カバーとかいいつつジョン・レノンマーヴィン・ゲイエルビス・コステロディーヴォ等々全く毛色の違うアーティスト達の曲が全部A.P.C色に染め直されてます、完全に。この尋常じゃない暗さは何だ。反戦・愛・平和といった先人達のメッセージだけをそのままに全く違う曲にリアレンジしたこの作品群は、またこの現代において新しい輝きを帯び始める。ジョン・レノン「Imagine」の超暗黒カヴァーなんて、イラク戦争の映像を思い浮かべながら聴いてみるとホント違った意味で胸に突き刺さってくるよ。重い。
ま、ぶっちゃけ言いますと元ネタの曲を僕はほとんど知らないんですけど、アレンジの仕方が素晴らしいんで純粋に聴き惚れてしまいます。トイピアノの音で幕を開ける一曲目でまずヤラレマスヨ。ひたすらダークなメロディと感情を抑えて歌うメイナードの声。闇、絶望、諦念、といた言葉が浮かんでくるこのアルバムの世界観はひたすら耽美で美しく圧倒的。ただ、そこには微かな光が差しているような。どこまでも堕ちていくような、そんな救いようの無い状態ではなく。上にも挙げてます「Imagine」カヴァーが注目を集めてますけど、個人的に秀逸だと思うのはマーヴィン・ゲイの「What's Going On」カヴァーかな。