親子愛

この前些細なことでおかんと喧嘩しましてね。
おとんが「もうそんなんどうでもええやないか!」と止めに入ったものの基本的にうちの家族(僕を含め)は誰一人自分の非を認めようとしないタイプのため収まるはずもなく。
で、途中であまりにウザくなったんで「もうええわ!飯もいらんわ!」と僕が吐き捨てて喧嘩を切り上げたわけですよ。
で、腹立ったので風呂でスリップノットを大音量で聞いて心を落ち着けたんですがね。その日は帰ってくるのが遅かったため風呂出たらもう午前一時だったんですよ。
だから空腹ではあるもののもう何かを食べるような時間でもないのですぐにベッドに潜り込んだんです。
部屋の電気も消してベッドの横にある小さなライトスタンドの明かりで読み物をしていたんですが、一時半頃かなあ、心地よい眠気に誘われて本を閉じて明かりを消そうとベッドの中から手を伸ばした瞬間僕の部屋に小さなノックの音が。
おとんでした。
「ホンマもうお前はー、お母さんの言うことなんて軽く流したらええやん」といいながら部屋に入ってきたおとん。
いやもう寝るしー説教は明日聞くからわかったから寝させてくれ。
「ご飯いらんとか言って、おなかすいたやろ?」
いや別に食欲より睡眠欲の方が今は勝ってるから、はやく寝させ・・・


「お父さん、そう思ってコンビニ弁当買ってきてあげたから。食べ!」


普通なら父親の慈悲深さに感動するところなんですがただ問題は真夜中一時半という時間帯と僕がどう見ても眠りに落ちる五秒前であるというこのシチュエーション。
思わず出てきた言葉は、
「いやいらんいらんいらんいらんいらんいらんから!」でした。
空気読めよ!どうみても寝るとこやん!くらいの勢いで発言してる自分がいました。


「何言うてるんや食べなさい!おなか空いてるやろ!」「いやごめんやけどいらんから。寝させてよ!」
半魚人の「生ませてよ!」ばりに叫んでる自分が。


「なに言ってるんや、お父さん朝ご飯も買ってきてあげたんやから!」「いや関係ないし!」


「ちゃんとお父さんお弁当あっためてもらったんやから!」「いやごめん、普通にこの時間に何か食って寝たら胃がおかしくなるやろ?しかもコンビニ弁当なんて油っぽいから余計やばいやん」


「そんなん言ってもあっためたからすぐ食べな食べ物がいたむやないか!」「いやそれは知らんし!」


「わかったそれやったらお父さんが朝ご飯のデザートにと思って買ってきたヨーグルト、これを食べ!」「いやごめんだからもう何もいらんから!」


ビフィズス菌やで!」「寝させてくれー!!」


何とか弁当もヨーグルトも朝に食べるから、と説得して部屋から出ていってもらったんですがおとんの背中はどこか悲しげでした。
一連のやりとりで眠気もふっとんだ上におとんのちょっとピントの外れた優しさに対して邪険に扱ってしまったという後ろめたさも生まれてきたため、結局その生暖かい特製幕の内弁当を食べましたよ。もう夜中二時って時にですよ。


・・・朝目覚めた時、何ともいえない胃のむかつきに思わず閉口してしまった僕がいました。
やっぱ食うんじゃなかった。